【校長ブログ】江戸切子

 皆さんは「江戸切子」なるガラスコップをご存じでしょうか?今日は、東京都江東区亀戸に事務局を置き、業界の発展を促進することを目的に活動する東京カットグラス工業協同組合(現:江戸切子協同組合)が制定した「江戸切子の日」なのだそうです。
 江戸切子の文様の一つ「魚子(ななこ)」から「なな(7月)こ(5日)」と読む語呂合わせにちなんでいるとのことです。代表的なカットパターンが10数種類あり、「魚子」は魚の卵をモチーフにしたもので、職人の技量を試される難しい文様です。さすがは職人技と思えるような模様があり、見ているだけで美しいと思います。

 日本では、天保5年(1834年)にガラスの表面に彫刻したのが初めてと伝えられています。明治6年(1873年)、品川興業社硝子製造所が開設され、明治14年には切子(カット)指導者として英国人ホープトマン氏を招き、十数名の日本人がその指導を受け、現代に伝わる江戸切子の伝統的ガラス工芸技法が確立されたようです。この頃からカット技術の進歩とガラス器の普及により、切子が盛んに作られるようになり、大正時代になるとカットグラスに使われるガラス素材の研究や、クリスタルガラスの研磨の技法が開発されるなどして、江戸切子の品質はさらに向上したようです。大正時代から昭和初期にかけて工芸ガラスといえば「カットガラス」といわれるほど急速に、かつ、高度の発展を遂げ、わが国における第一次の全盛時代を迎えました。そして江戸切子は昭和60年に東京都の伝統工芸品産業に指定、平成14年には国の伝統的工芸品にも指定されるに至ったそうです。
 私が「江戸切子」を知ったのは、20代の後半、ある先生がご退職される際に、先生方で集金して何かプレゼントしようとのことで、一人の先生が「私に任せてください。」と言って購入されたのが「江戸切子」でした。失礼な話ですが、私はその先生はガサツのように見えてプレゼントなんか選べるのかしら?なんて思っておりまして・・・、「江戸切子」の美しいグラスを見た時に感動を禁じえませんでした。

 もちろん、プレゼントされた先生も感動して「〇〇先生がこんな趣味の良い人とは思いませんでした(笑)」との感想をおっしゃってました。

 自分は、その時、江戸の工芸品も知らないで古文(近世)などを教えていたことを恥じました。また「人は見かけにはよらない」を実践的に学んだ経験です。私自身は「江戸切子」を持ってはおりませんが教え子の結婚式で「baccarat」のグラスをいただいて、これも美しいなとタイピンやカフスを入れております。私もこの職を閉じることになったら「江戸切子」のグラスを購入して(あんまりお酒は強くないので)冷茶でも飲もうかなと思っております。