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【校長ブログ】倫理資本主義の時代
表題「倫理資本主義の時代」はドイツの哲学者マルクス・ガブリエル(早川書房)の著した書物の名前です。この書物を読む機会があり、一部はなるほどね~。と賛同することやふーん?と思うことなどがあり、越高生にも宣伝したくなりました。(私が宣伝をするからと言って良い本ばかりとは限りませんので、あくまで一個人の趣味くらいにとらえてください。)
彼は(「マルクスは・・」というと経済学者の名前を浮かべる人もいると思いますので、あえて「彼」という表現をします。)自分自身を「生まれながらの天才であったと周りから言われていた。」とか「(赤ん坊の頃に)ハイハイをしている時にも自分の行先を妨げる物体があるとそれが何なのか?この物体の本質は?と思いながら生きてきたそうです。4歳にはすべてのドイツ語をマスターし(私も3歳にはすべての日本語をマスターしたと思っておりますが・・・。全ての漢字ですらいまだに知っているわけではありませんからすべてのドイツ語をマスターするというのがどのような意味をなすのかが不明です。)小学生になる頃には自分は他の人とは違う人間なのだと自覚していたそうです。
29歳でドイツのボン大学(哲学では一番有名な大学の一つ)の教授職に就き、古代ギリシャ語、ラテン語、ヘブライ語などマスターしていたと自著で述べております。一言で言えば「天才」なのでしょう。私はこのような天才は中学校時代の同級生のS君くらいしか見たことは無いのですが、何が言いたいのかというと、彼は日本のことを「日本はソフトな独裁国家だ。」と表現し、そのエピソードとして、初めて彼が訪日した2013年の時の話で、地下鉄に乗った際に女性専用車両だと知らずに乗り込もうとして、白手袋をした駅員に背中をつかまれました。そのとき、ある意味これは「ソフトな独裁国家」だと感じたとのことです。なるほど、天才になるのは多分、自由自在な発想が大事で、人間として男とか女とか区別して一方にだけ、肩入れするシステムを作ることに懐疑的になるのだなと感じました。私などは痴漢行為をする男性の比率が高いので、やむなくこういうシステムを作るのだろうなと何も解説されなくても理解できるのでありますが・・。そして、そういう解説をされなくても理解できる日本人のことを「私が日本をひと言で表そうと思ったら『精神の可視性』といいます。日本人はお互いの気持ちが手に取るように見えるのです。非常に精神的な文化で、どこにおいても、精神が可視化しているので、哲学をするには大変強力な場所です。」と著書に書かれており、なるほどと感じた次第です。
AIについても「知的ではあるが思考はしていない。」と喝破し、では、どうしたら我々は本当の意味での人生の意義を感じることが出来るのか?という事を論じております。最近読んだ書物としては私の中で面白かったのでご紹介しました。