【校長ブログ】御上先生

 昨日、新しいTVドラマを拝見しました。その名は「御上先生(これで、みかみと読むようです。)」というドラマです。

 先生ということでおわかりのように、一種の学園ものです。このような職種に就いているものの学園もの、学校もののドラマはまだ見てしまうのです。(私の父は、警察官で刑事ドラマの一切を見てませんでしたし、私にも見せてくれませんでした。理由は「こんなストーリー現実にはない。」との一言でした。)もちろん、学園もののように松坂桃李のような顔だちで多分30万円以上のスーツを着て、あんなに生徒が一人でいるところに偶然通りかかるような教員や「あなた、それは犯罪者でしょう。」というような教員も私の周りに見たことはありませんが、ついつい、観てしまうのは、世間から、少なくてもドラマの作り手は学校をどう見ているのか?を知っておきたいためです。

 さて、このドラマを作成するにあたり、学校教育監修というクレジットがありますが、なんと工藤勇一先生となっています。工藤先生は、千代田区麹町中学校という都内の区立伝統校の校長時代に、一切の宿題を出さない、担任制を敷かない(生徒本人が信頼できると思う先生に相談するといういわば全員担任制)を断行された人です。現在は横浜の私立中高一貫校の校長でもあります。

 この英断?は受け入れられる人とそうではない人に分かれているようですが、私も以前いた高校で、複数担任制度を導入して、生徒は、A先生でもB先生でも相談しやすい方に相談できるというオペレーションを敷きました。先生方も担任一人ですとお休みも取得しづらいと思い、導入しましたが今では続いて無いようです。

 宿題を出さなくても千代田区は沢山の塾や予備校があるので大丈夫だとの話もありました。私も宿題は自分が勉強したいことをしたいだけやればよいのにと考える高校生でしたから、個人としては賛成ですが、教員としては怖くてそのようなことは実施したことはありません。

 このドラマは、私の世代がテレビの世界で憧れた「熱血先生」のアンチテーゼのようです。それだけにどのような決着をつけるのかを注視してます。