2025年10月の記事一覧

【修学旅行】事前学習をしました①

2年次生では、11月26日からの広島・関西修学旅行に向け、班別行動の計画を立てることと同時に、平和学習にも取り組んでいます。

今月は、2回の講演会を実施しました。

【10月9日 岡村 幸宣さん(丸木美術館学芸員・専務理事)】

●講演会の前の様子
講演会に先立ち、生徒には「原爆の図」を鑑賞し、問いを立てるという取組をしてもらいました。
約2週間前より、丸木美術館よりお借りした原寸大「原爆の図 第4部『虹』」(作:丸木位里・俊)を図書室前に展示しました。「原爆の図」とは、広島出身の丸木夫妻が、原爆投下直後の広島の様子を描いた全15部からなる連作です。生徒は、その中の「虹」を鑑賞し、絵に描かれた風景から問いを立てました。
最初は静かに鑑賞をしていましたが、時間が経つにつれ、絵の細部までよく目をこらし、周囲の友人と意見交換をする様子も見られました。限られた時間ではありましたが、絵と誠実に向き合い、多くの問いを立て、絵を通して見える世界に真摯に向き合おうとする姿が印象的でした。

●講演会の様子
講演会は、生徒たちが事前に寄せた問いを軸に話が進められました。
丸木夫妻の経歴や、原爆の図を描いた背景、絵に描かれている人々の個々のストーリーなどをお聞きし、本当の「平和」とは何か、過去の戦禍は「過去」の1点にあるものではなく、日本も含めた世界中で差別や暴力が今なお続いているということ、2025年に私たちが80年前の過去を学ぶことにどんな意味があるかなど、質疑応答の時間も含めて、様々な視点から考えを巡らせました。

 

【10月16日 土田 和美さん(埼玉県原爆被害者協議会所属)】

●講演会の様子

岡村さんの講演に参加してから臨んだ講演会。実際に被爆された経験をお持ちの土田さんをお迎えしました。講演会では、ご本人の被爆当時の記憶に基づいたお話や、その後の人生のお話、お母様やお父様、学校の担任の先生のお話など、様々な体験のお話をお聞きしました。ところどころ言葉に詰まりながらも、懸命に言葉をつむぎながらお話してくださる土田様の語りを、生徒たちはまっすぐ受け止め、時折メモを取りながら聞いていました。講演会終了後には生徒から土田様に質問も出ました。

 

2回の講演を終え、生徒たちは心で言葉を受け止め、様々なことに思いを巡らせ、考えています。引き続き、修学旅行がより実りのあるものとなるよう、事前学習を充実させていきます。